ReviewsGems & Gemology, Fall 2017, Vol. 53, No. 3

書評: 『Taffin: The Jewelry of James de Givenchy(タフィン:ジェームズ・ド・ジバンシーのジュエリー)』

Larry S. Larson

『Taffin: The Jewelry of James de Givenchy(タフィン:ジェームズ・ド・ジバンシーのジュエリー)』
James Taffin de Givenchy、Tobias Meyere、Hamilton South共著、ハードカバー、400頁、イラスト入り、リッツォーリ出版、ニューヨーク、2016年、$150.00(約1万6千円)。

ジュエリーデザイナーのJames de GivenchyがTaffin(タフィン)より発表した作品を紹介する。この大きめの書籍をスリーブケースからそっと取り出してページをめくるたびに、まるで金庫から貴重な秘宝を取り出したような気分になります。この本を読んでは止めて、読んでは止めて、それを繰り返している自分に気が付きました。それは、この本で披露されている芸術や技能に見とれすぎて次回に楽しめるものが無くなるのを恐れて、この本を少しずつ見るようにしたからです。

ページをめくるたびに、創意に富んだ金属とその仕上げ、エキゾチックな木製品や皮革などを使って美しい作品がde Givenchyの多大な愛を込めてひとつずつ完成されているのをご覧いただけます。Fulco di Verdura公爵、Suzanne BelperronやJean Schlumbergerへの敬意を払っているのが彼らの技能をご存知の方にとっては一目瞭然でしょう。

この本のさまざまなセクションの序文に書かれているように、芸術家としてのDe Givenchyが彼の友人を通して生き生きと語られます。彼らの話を読みながら、細部にわたって美しく撮影された写真を見ると、de Givenchyがある作品になぜ特別な素材を選んだかが理解でき、宝石や職人技を楽しく見ることができます。彫刻が施されたハート形のコロンビア産エメラルドが、フラッシュセッティングで緑色の四角いセラミック製のベースにはめ込まれ、真珠で飾られた作品は、異なる色調の緑色と並べられた有機質の要素で春の到来を称えています。提案された作品を描いたde Givenchyのスケッチが、彼のニューヨークの宝石店の写真とともに掲載されており、ジュエリーをエレガントに締めくくります。

James de Givenchyは私たちの期待に外れたことに挑戦するのを好みます。彼は、ユニークな木材および珍しい形や用途があるアゲート(瑪瑙/めのう)や皮革などの比較的に普通な材料を使用します。ドーム型のボタンの形をした研磨済みの白いカルセドニー(玉髄)が並び、力強く隆起したシボ加工のある、幅広のバイオレットの木製ブレスレットは、馴染むのにいくらか躊躇するでしょう。雲の形をしたファイアンス(陶磁器)に創作され、いくつかのダイヤモンドが散りばめられた2つのピンは、素敵で軽快な外観を生み出します。最も魅力的な作品のいくつかは、宝石のキューレットが上にセットされている作品です。このような作品を見ると、目が点になって思考回路が止まり、このデザインがいかに賢いかと改めて賞賛するようになります。このようにセットされた宝石のため、レッドスピネルやルビーのドーム型リングはとげとげしいので少し注意深く扱うようになります。このような作品は、視覚的そしてテクスチャにおいて楽しみをもたらします。

Taffin(タフィン)は、純粋でシンプルな宝庫です。
 

Larry S. Larsonは、ノースカロライナ州ウィルミントンのReeds Jewelers(リーズ・ジュエラーズ)で研修部門長を務めています。

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